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目標の未達が続いた男の末路

去年、僕は部署を異動した。

最前線のプロフィット部隊から後方支援のノンプロフィット部隊へ。

25歳なりたての社会人3年目、8月のことだった。

 

「もう無理です」

そんな感じのことをマネージャーに告げた。

前の年の11月から約10ヶ月、連続でチーム目標の未達が続き、精神的に限界だった。

チームメンバーは疲弊し、自分自身も昼食を決められないほど憔悴しきっていた。

 

 

最初の3ヶ月くらいは、正直にいうと「市況が悪いのもあるんじゃないか」という言い訳を自分の中でしていた。

別に全部が俺のせいじゃない、目標未達のこともたまにはあるさ、という気持ちだった。

なんなら、この事業社会の役にたってねえしそんなに頑張る意味ねえだろ、という自己正当化の言い訳も持っていた気がする。

 

でも、それが続くにつれて徐々に追い込まれていく。

 

でもそんな連続未達の中でも、上司は自分を信頼してくれていたのか新しい仕事を任せてくれた。

1つ目は昔クローズした事業の再開。

大きな赤字を出した。2ヶ月でクローズした。

2つ目は既存事業の横展開。

何の成果も得られず赤字だけが残り、3ヶ月でクローズ。

3つ目はクライアントワークの引き継ぎ。

結果が出ず、契約は打ち切りになった。

 

つまり任せてもらった新しい仕事3つ全てが、大きな赤字を残してクローズした。

そして主事業の未達もついに9ヶ月目を迎えた。

 

そこで、ある事件が起こった。

大きな、とても大きなミスを犯した。

 

主事業で大きな投資を行うことになり、かなり大きな金額を扱わせてもらうことになった。

そして、取引先と結んだ条件として一定額を投資すればそれをサポートする、というものがあった。うちが〇〇円出せば取引先も△△円出しますよ、というもの。

ここで俺はミスコミュニケーションをしてしまった。

「500万円」という数字の扱いを間違えた。

先方は「あと500万円投資してもらえば△△円出しますよ」と提示してきたのだが、俺は「あと△△円投資すれば500万円出しますよ」と取り違えたのだ。

その旨を上司に伝え、その500万円を計算に入れて多額の投資を行った。

 

月末、先方から「当初予定していた金額には届いていないのでサポートできません」と連絡があった。

「え?どういうこと?至急確認して」Ccに入っていた上司が顔色を変えてやってきた。

 

 

そこで俺の何かが完全に切れた。

喫煙所に駆け込み、溢れてくる涙と表現できない心の混乱に飲まれていった。

 

そこからの1ヶ月、ほとんど記憶がない。

うつろな状態で会社に行き、手を動かす業務をして帰る毎日。

頭は働いていない。難しいことは考えることができない。

オフィスの机の上は散らかっていき、家も掃除できず荒れていった。

 

 

ある日パソコンの前で「だめだ。限界だ。」と思った。

これ以上自分が事業を回すのはリスクしかないと思った。

目標を達成できる能力はない。それにまたいつミスをするか分からない。

 

上司にこんなチャットを送った。まるごとはりつける。

◯◯さんご相談です。

ここ最近、自分が正常な判断ができる状態にない気がしていて、
集中や決断、考えることもままならない日が多いです。
いま自分がどんな状況なのかもよく分からず、混乱してます。
このままいくと大きな損失やミスが起きる気もしていて、
先日も昨日も突然休んでしまいご迷惑をおかけしています。
辞めろと言われれば辞めざるを得ないくらいの状況にある気がしてます。

このままだとよりご迷惑をおかけしてしまいそうなので、
職責を落とすとか辞めるのがいいのか分かりませんが、
どうしたらいいですか?という情けないご相談です。
直接話すと混乱しそうだったので一旦文章にまとめました。

今振り返ると、思考力も気力も何もなかったんだと思う。

それでも上司は優しかった。
「どの部署に異動したい?」そんな内容の返信をくれた。

みんな頑張ってるのに、俺は逃げたんだ。そう思った。
悔しかったし、情けなかった。

そこから今の部署にうつった。
あれからもう1年が経つが、あの日のことは一生忘れないと思う。


俺はまだあの出来事を消化しきれていない。
とてもいい経験だったと笑える状態ではない。

もちろん過去は変えられない。
でも、どうやってもあの出来事はまとわりついてくる。

すぐに逃げようとする自分。
言い訳ばかり作ってしまう自分。
辛いと甘えれば許されると思っている自分。
目標を達成できない無能な自分。
どんな仕事もうまくいかない自分。
そんな自分が今でもとことん嫌いだ。

恐らく俺は将来何かを成し遂げることはない。
もう自分を信じられなくなってしまっているからだ。


みなさんにはどうか、自分を信じることだけはやめないでほしい。
こんなに虚しい人生を、どうか送らないでほしい。

1人でも多くの人の人生が豊かで幸せであることを、
せめて祈って死んでいこうと思っている。